今回は簡単な熱交換解析モデルをご紹介致します。
解析モデルはトップ画像に示していますが、中央に熱交換器(shellAndTubeHX)を挟んで左下(coldWaterIn)から左上(coldWaterOut)へ低温の水が、右上(hotWaterIn)から右下(hotWaterOut)へ高温の水がそれぞれ(cold/hotPump)を動力として流れます。
低温側の水は17℃、高温側の水は67℃と設定しているので中央の熱交換器性能により出てくる水温が変化することになります。このモデルの中で使用している熱交換器は下左図のように内部のチューブと周囲の薄板で構成されており、チューブ内外をそれぞれ通過する液体間で熱交換が行われます。これを計算すると、下右図のように低温側は17(赤)→31(緑)℃、高温側は67(青)→59(水)℃とそれぞれ熱交換器通過後の水温が変化することが読み取れます。
熱交換器のパラメータを変更すれば通過後の水温変化はもちろんですが、SimulationXには下のように様々なタイプの熱交換器モデルが用意されていますので、用途により使い分ける事もあるでしょうし、上の例のように熱交換器の形状まで考慮可能(SimulationXでは入力した寸法から3Dビューで形状の確認が可能です。)なものから、ざっくりとした検討としてある程度の寸法と熱交換率のみという場合でも対応しています。
また、中の流体についても気体/液体を任意に組み合わせてデータベースから選択する、或いはユーザー定義の物質も追加可能ですので、自動車のラジエータ、エアコン、発電所の熱交換器など幅広く対応します。
以上、簡単な熱交換器モデルの紹介でした。
2004年、日本イーエスアイ(株)入社。自動車をはじめ各種産業分野のCAE受託解析業務及びVPSの技術サポートに従事。2016年からSimulationX及びVPSとの連成解析関連の受託解析業務、サポート、プリセールスエンジニアとして従事。