ニーズの多様化により、自動車のボディカラーや造形(シェイプ)といったデザインは顧客の購買意思決定を大きく左右する要因となり、自動車メーカーは外板造形の高品質化に注力しています。
こちらの記事では、マツダ株式会社様の面品質保証についての取り組みが紹介されています。
他社との競争において優位性を保つために魅力的なデザインや見映えといった外観品質の向上は重要ですが、複雑なデザインの具現化が大きな課題となります。
外販部品は、各工程(プレス、溶接、組み立て、塗装等)で外観品質をチェックし、ラインオフ後はライトルームで最終チェックを行います。
これらの主なチェック方法は作業者による官能評価であるため、経験値による評価基準のばらつきが課題となります。
このような背景から、Autaza Hybridに代表される外観品質の評価のばらつきを抑えることができるツールを活用する企業が増えております。
Autaza Hybridとは、実製品の外観品質をAIにより自動判定するツールです。
特徴として、
が挙げられます。
動画のリンク:Autaza Hybrid - YouTube
また車両開発、金型製作等のバーチャルデータしかないステージでも外観品質評価を実施しますが、製造工程と同様に経験値による評価のばらつきが課題となっております。
そこで、バーチャル上の部品でも同様にAIにより外観品質評価をする、Autaza SurfaceをESIと共同開発しました。
Autaza Surfaceでは、PAM-STAMPの成形解析結果を用いた外観品質評価に対応しており、これにより実製品に近い状態で評価することができます。
Autaza Surfaceの評価の一例として、熟練者による実製品の品質判定とPAM-STAMPの結果をAutaza Surfaceによる品質判定を比較したものをご紹介します。
2つの判定結果を比較してわかるように、熟練者により外観品質NGと判定されている部分がAutaza Surfaceでも品質懸念部として判定されています。
完成車メーカにてプレス金型の設計と成形解析業務に従事。2019年に日本イーエスアイ(株)に入社以降、板成形解析ソフトであるPAM-STAMPのプリセールスやサポート業務に従事。