ダイカストにおいて、製品の冷却後、押し出しピンにより金型から取り外すというのは必須のプロセスですが、このピンのレイアウトが意外と大変であるというお話を伺いました。
製品が完全に寸法通りにできていればいいのですが、基本的には応力変形により金型に抱きつきます。
強引に引きはがしてしまっては、最悪の場合、製品が破損することもあり、最適なレイアウトと適度な力の設計が求められるようです。
そこで、ProCASTによる鋳造解析結果を、弊社が保有する構造解析ソフト”VPS”に引継ぎ、押し出し時の挙動を解析しました。
図1のような製品形状を用い、鋳造解析を実施し、そこで得られた応力を”VPS”に引き継ぎました。
下の図2の左側は、型開き後の温度状態、右側がその時の応力分布となります。
この結果を先に挙げた構造解析ソフト”VPS”に引き継ぎます。
上の図3が押し出しピン解析結果です。
グラフは押し出し時の接触力の履歴を表しています。
抱きついた製品が滑り始まるまで、高い力が発生していることがわかります。
このように、ProCASTでは金型への製品の抱きつきの様子を解析できるとともに、弊社の製品を連携することで、その結果をさらにいろいろな目的で活用することができます。
鉄鋼材料メーカーの製鋼鋳造プロセス研究技術者を経て2000年日本イーエスアイ株式会社入社.鋳造,溶接といった熱加工プロセス,材料技術に従事.