前回、Animation Bodiesについて触れ、Multi Body System(MBS)とは異なりモデル内で計算された値を参照して挙動を視覚化するものと述べました。近い内にMBSについてのTipsをご紹介したいと思いますが、その前にモデル化が必要/不要な境界条件についてご紹介したいと思います。
下図のように単純な1質点振動系のモデルに於いて、両モデルはspringDamperにpreset(ただし、kind=Fixing)が接続されているか否かだけが異なっており、その他のパラメータは全て同一です。
両モデルともグラフに示す様に同じものだというのが今回のテーマです。
massは初期変位を与えているので計算が始まるとバネ-ダンパーに依り振動/減衰運動をしますが、この時、springDamperに生じる変位量や速度等は両端のピン(ctr1, ctr2)の差を基に計算されます。
dx=ctr1.x-ctr2.x
dv=ctr1.v-ctr2.v
右のモデルではpresetで固定の境界条件を与えているのでspringDamper2のctr1側入力は強制的に0となりますが、左のモデルでspringDamper1のctr1側には何も接続されていません。これも逆に言えば他からは何も入力がない。すなわち値は0であるというのと同意となり、結果としては同じになります。
どうという事のないネタなのですが初心者に優しいブログを目指していますので、ちょっとでも引っかかりそうなところをこれからお紹介していきたいと思います。
2004年、日本イーエスアイ(株)入社。自動車をはじめ各種産業分野のCAE受託解析業務及びVPSの技術サポートに従事。2016年からSimulationX及びVPSとの連成解析関連の受託解析業務、サポート、プリセールスエンジニアとして従事。