今回は、ProCASTの特徴の一つである応力解析について、簡単に紹介したいと思います。
一般的な鋳造シミュレーションソフトウェアでは熱と流体の連成解析が可能でして、ProCASTもその例にもれず可能となっております。
ただ一方で応力も連成して解析が可能な鋳造解析ソフトウェアは市場でも少ないかと思いますので、それもProCASTの特徴といえるかと思いますので、今回はその紹介をしたいと思います。
この熱と流体と応力の連成解析で興味深い点は、熱・流体解析で一般的に使用される空間に固定されたEuler座標系と物体とともに変形するLagrange座標系を両方混ぜて使用している点であるかと思います。
つまり、ProCASTの応力なしの熱・流体のみの解析ではメッシュは変形せずに解析が行われるのですが、応力解析を追加した際は、時間ごとに製品や型形状メッシュが変形していく様子を確認できます。
応力解析を使用した際の利点で代表的な点は、金属の凝固が進行するにしたがって生じる型と鋳物間のギャップの再現、及び熱伝達計算にもその影響が反映される、つまりギャップが生じたところではギャップの大きさによって熱が伝わりにくくなるといった計算が可能である点であると考えております。
上記により、熱計算の結果が変わり、より実機と近い結果を得られると考えています。
応力解析による利点は他にもございますが、今回はここまでといたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
鉄鋼材料メーカーの製鋼鋳造プロセス研究技術者を経て2000年日本イーエスアイ株式会社入社.鋳造,溶接といった熱加工プロセス,材料技術に従事.