今回は 解析のコツ 重工系編 です。
鉄鋼・重工系などの業界では物が大きく、厚板を扱うことが大半です。
そのような場合でも、Shellメッシュでの解析で 傾向・変形量も実測とよく似た傾向を示します。大きいものこそ試作を作成するわけにはいかないため、事前解析を行うことはかなりの費用効果を生みます。鉄鋼・造船・原子力などの分野でも有用です。
また、溶接が終わった後に姿勢を変えてから冷却・測定する場合があります。そのような場合、溶接まで解析が終わった後に、姿勢を変えた(重力方向を変更)追加解析をしてから比較すると、実測との一致率が上がることがあります。実際の状態を再現することが大切です。
裏当て金の再現も可能です。指定したPartをDeactivate(無効化)することで裏当て金の除去を再現します。
このように、大型・厚板の構造物でもShell要素で手軽に検討できます。
薄板でセンシティブな物よりも条件設定が簡素でよいことも多く、費用対効果が高いです。
以上、第12回目は 解析のコツ 重工系編 についてでした。
エンジニアリングサービス会社で構造・溶接CAEに従事。2018年日本イーエスアイ(株)入社。SYSWELD・Visual-Assemblyといった溶接・組み立てソフトを担当。