皆様、こんにちは。
今回は、PAM-STAMPの自動最適化機能を2回にわたってご紹介します。
第1回は「ブランクラインとトリムラインの最適化」についてご紹介します。
ブランクラインとトリムラインの設計では、成形により生じる材料の伸び縮み(伸びフランジ、縮みフランジ等)を考慮した見込みラインを作成しなければなりません。
ブランク・トリムラインの見込みを検討するためには、成形中の材料の変形過程のノウハウは必須ですが、成形中の材料の形状によってはラインの修正により変形傾向が大きく変化することも稀に発生するため、ノウハウのみで型修正工数を抑えることが難しい場合があります。
そこで、ラインの不具合を改善する機能としてブランク・トリムラインを自動で見込む最適化機能がPAM-STAMPに標準で備わっております。
この機能を用いると、材料の伸び縮みを考慮したブランク・トリムラインを自動で作成することができます。
ラインの最適化の流れを以下に記します。
① 現在のブランク・トリムラインで最終工程まで成形した時のパネル外形線とターゲット(製品外形エッジや穴エッジ)を比較します。
② 測定範囲内の何%が決められた公差内に収まっているか確認します。
③ ターゲットに対してずれた分だけラインを修正します。
④ ①~③を「測定範囲内の○○%が指定交差〇mmに収まる」まで、または指定回数だけ繰り返し計算します。
この最適化機能とノウハウを組み合わせることで、より高精度で安定したブランク・トリムラインの見込みを行うことができます。
また「穴あけをしてから成形する」ような方案の場合、穴の見込み形状と位置合わせが難しいかと思いますが、本機能を用いることで精度を向上させることができます。
今回の機能について、少しでも興味をお持ちの方は下記フォームまでお問い合わせください。
次回は、「金型のスプリングバック自動見込み」についてご紹介します。
完成車メーカにてプレス金型の設計と成形解析業務に従事。2019年に日本イーエスアイ(株)に入社以降、板成形解析ソフトであるPAM-STAMPのプリセールスやサポート業務に従事。