今回はSimulationXライブラリとModelica標準ライブラリ(MSL)内のエレメントを同一モデル内で共存させる方法をご紹介します。
SimulationXには多岐にわたるエレメントが用意されていますが、ユーザー定義によるエレメントの作成して適用する場合やMSLのエレメントをモデル内に組み込む場合が考えられます。
電気抵抗(Resistor)エレメントを例に取り上げますと、MSLの抵抗エレメントは内部の温度変化に依る抵抗値の変化を(オプション設定により)考慮できますが、SimulationXライブラリの抵抗エレメントは熱の考慮が出来ません(下図参照)。
もちろんTypeDesignerによりエレメントの作成或いは拡張を行うことで同等の考慮が可能ですが、MSLの抵抗エレメントを適用してしまうことも方法の候補として考えることが出来ます。
しかしながら単純に両ライブラリのエレメントを接続しようとしても、そのままでは繋がりませんので、両ライブラリを橋渡しする接続用のエレメントを中間に挿入する必要があります。
接続する種類によりエレメントが異なりますので注意する必要がありますが、効率的なモデル作成手法の一つとしてご紹介しました。
2004年、日本イーエスアイ(株)入社。自動車をはじめ各種産業分野のCAE受託解析業務及びVPSの技術サポートに従事。2016年からSimulationX及びVPSとの連成解析関連の受託解析業務、サポート、プリセールスエンジニアとして従事。