IC.IDO導入事例 Safran社

Virtual Reality
Aerospace & Defense

バーチャルリアリティは、私たちの開発効率を大幅に向上させるであろう未来のテクノロジーです。

Nicolas Lepape Virtual & Augmented Reality R&T Project Manager, Safran Nacelles

 

Challenge

Safran Nacelles社では、新たな航空プログラムに取り組むに当たり、実物プロトタイプがなくても可視化が可能で、さらに製造工程設計の検証が方法を検討しました。また新しい組立て・製造ライン導入の検証、人間工学に基づく作業員の動作や姿勢に関する研究、およびより効率的にトレーニングを行うためのツールを探し、2015年にVR技術を新製品とプロセス設計に活かすプロジェクトを始めました。

 

Story

世界をリードする航空エンジン用ナセル製造企業であるSafran Nacelles社は、新たな航空機の開発プロセスにおいて、実物プロトタイプに頼ことなく可視化・プロセス設計の検証ができる検証方法の必要性を感じ、IC.IDOユーザーであるBoeing 、Airbus、Renault3社に約6ヶ月間にわたるヒアリングを行った後IC.IDOを導入しました。Safran Nacelles社では、様々なVRツールの試験やベンチマークを行い、最終的にESIの没入型VRシステム IC.IDOを選定しました。幅4m高さ2.5mのオンサイト二面“CAVE”を導入し、2016年3月に公式のツールとして稼動を開始、6ヶ月後には60項目の活用ケースを作り出しました。IC.IDOは、CAVE内部にCADにより定義された物体や環境の3D実物大イメージを生成し、それにより仮想の作業空間を作り出します。ユーザーはそのイメージに没入することで操作が可能な作業なのか否かの確認、ツールや作業現場自体の設計の検証、作業操作のシミュレーションなどが可能になります。Safran Nacelles社は、IC.IDOを使うことで、実際のプロトタイプの必要がなくなり、開発プロセスに要する時間を短縮し、新しいワークフローの評価に積極的に取り組むことが可能になりました。

また、IC.IDOでデータを共有することで、異なる分野の担当者同士の議論を円滑に進めることが可能です。それにより早期段階で問題を解決し、ツール改善の遅れを回避することができます。Safran Nacelles社では、IC.IDOを導入したことで情報交換を迅速に行うことができるようになりました。プロジェクトマネージャー同士が現場いても、遠隔であったとしても、リアルタイムにすべてのメンバーを含め協力し合うことが可能です。IC.IDOにより、試行錯誤を繰り返すことなく新たな航空プロジェクトに取り組んでいます。ESIのIC.IDOを最初に導入してから6か月後、Safran Nacelles社は各部署にすでに10人のIC.IDO“スーパーユーザー”がいます。このユーザーのネットワークは最良のベストプラクティスを共有し、また各部署内でユースケースを用意しています。さらにSafran Nacelles社では、同様にIC.IDOを持った下請け企業と共同検討会議、遠隔講習会を実施し更なる改善に取り組んでいます。

  

Benefits

IC.IDO導入後、Safran Nacelles社は製品・プロセス開発サイクルを削減し、全体的な効率を向上させることができました。さらに3DのCAVEを用いることで、工場の現場からでも、社外パートナーを含む関係者と協業することができるようになりました。現在IC.IDOは、Safran Nacelles社にて開発・プロセス検証の一部として完全に定着しました。