今回は機構応力解析MEDYSAだけではなく、衝突解析などにもよく用いられる有用な機能であるMMC(Multi Model Coupling)についてご紹介します。
通常、動的陽解法有限要素法ではモデル内に存在する最小タイムステップで計算を実施します。このため、局所的に詳細な要素が存在すると計算時間が増大し、現実的な計算時間で計算出来ない可能性があります。しかし、MMC(Multi Model Coupling)機能を用いることでモデルの一部分に詳細な要素が存在しても現実的な計算時間で計算が可能になります。
図に示す通り、モデルを要素サイズが大きいグローバルモデルと詳細要素が含まれているローカルモデルに分け、各モデルをカップリングさせながら独立して解くことにより、詳細要素が含まれていることによる全体の計算時間への影響を最小化出来ます。
例えばグローバルモデル(タイムステップ大)を1CPUで解き、ローカルモデル(タイムステップ小)を3倍の3CPUで解くということが可能になり、計算リソースの有効活用が可能になります。この機能により局所的に詳細な応力分布を確認することが可能です。
2005年に日本イーエスアイ(株)に入社。VPS(MEDYSA)エンジニアとして,主に自動車メーカー向けトランスミッションの強度・構造・機構等のCAE受託解析業務を担当。2012年からはセクションマネージャーとしてチームマネージメントにも従事。