前回に引き続き、MBS(Multi Body System)ライブラリのエレメントを使用したモデル化の事例を紹介します。
前回は、自動車のエンジン及びトランスミッションをモデル化しましたが、今回は、エンジンからトランスミッションに入力されるトルク変動を減衰させる役割を持つトーションダンパーをモデル化しました。トーションダンパーは、エンジンとトランスミッションの間に搭載されます。
(緑がエンジン側、黄がトランスミッション側になります)
アニメーションから、緑が回転することで赤のばねが撓んでいる様子が確認出来るかと思います。
よくアニメーションを観察すると、『緑及び黄 → 回転慣性』、『赤→ねじり剛性』、なので、わざわざMBSライブラリのエレメントでモデル化する必要もなく、以下の様に簡単なモデルでモデル化可能かと思われるかもしれません。
しかし、例えば、このダンパをねじった際、または、高速回転した際に、青が緑に摺動する現象が確認された場合、どうモデル化したら良いでしょうか?
その様なケースでは、まずは3Dでモデル化し、実現象が再現出来ていることを確認した後にモデル化に必要な現象を抽出し、上図の様な回転系のみのモデルに落とし込むというアプローチが有効かと思います。
一見すると、回り道をしている様ですが、結果的には工数短縮に繋がることもあるかと思います。
1つのソフトで3Dや2D、1Dのシミュレーションが可能である点がSimulationXの強みですので、是非色々と試してみてください。
完成車メーカにて主に駆動系のNV解析(1DCAE)に従事。2018年、日本イーエスアイ(株)に入社。SimulationXのCAE受託解析業務、サポートを担当。