FCA、IC.IDOを活用してインダストリ4.0 バーチャルアセンブリプロジェクトおいてフロントローディングを大幅に加速、僅か8ヶ月でROI達成
ESIグループの革新的なVRソリューション IC.IDOの導入を決断するのに時間はかかりませんでした。IC.IDOはインダストリー4.0によって更に高まりを見せる バーチャルシミュレーションのニーズを満たしてくれています。
Eric Beremis Baier Laia Virtual Reality Specialist of MFG2020 FCA LATAM
Challenge
ESI IC.IDOを導入する以前、Fiat Chrysler Automobiles LATAM社 (以下、FCA)はデジタルアセンブリレビューをCADを使い、フラットスクリン上で行っていました。そのため、アセンブリレビューでは問題点を特定できず、生産設備の構築中やテスト中に問題が明らかとなるケースがしばしばあり、プロジェクト費用の高騰や遅延といった課題を抱えていました。これらの課題解決に向け、FCAは実際の設備や試作品を用いた時と同じような環境でのバーチャルレビューが今後のプロジェクトにおいて極めて重要であると考えました。
Story
Fiat Chrysler Automobiles LATAM社(FCA)は、Alfa Romeo、Chrysler、Dodge、Fiat、Jeepなど多くのブランドを傘下に持ち、世界140か国以上で事業を展開している世界屈指の自動車連合です。FCAはMFG2020のイニシアチブであるインダストリ4.0プロジェクトの一環として、 Fiat Argoの新型車の設計・組み立てプロセスを検証し、 コスト削減とプロジェクト遅延防止を目標としました。その解決策としてESIのVRソリューション IC.IDOの導入に至りました。
Fiat ArgoはFCAの最新プログラムであり、 インテリア部品の組立てとトリムに特に重点を置いてきました。このFiat Argoのプロジェクトの車両組み立ての検証にておいてFCAは初めてIC.IDOを活用しました。
IC.IDOは、実際のプロトタイプ製作前のバーチャルプロトタイプの段階で、製品設計におけるリスクを検出するために使われました。製造、生産、および人間工学に基づいた安全性(EHS)の全てのエンジニアリンググループがこの工程に参加し、レビューした全ての分野で最適化された製品設計をすることができました。
IC.IDOの導入により、FCAは車室内部品の組立て時の操作アームの検証など、製造工程やプログラム設計等を複数パターンでレビューを実現しました。実際にこのレビューで、操縦アームが車両コンベアーフックに干渉・衝突することが確認されました。
IC.IDO導入以前の開発プロセスでは、国際車両開発(GVD)工程から、製品設計・製造工程の確認までを、実際の試作品を使用した検証で行っていました。この一連の各工程において、IC.IDOを活用して製品や製造プロセスの安全性を仮想検証・改善し、試作品を作ってからの手戻りをなくすことができました。
このインダストリ4.0プロジェクトの想定期間は18か月とされていました。しかし実際にこのプロジェクトでは、IC.IDOを活用した検証と改善により開発工程においてフロントローディングを大幅に加速し、僅か8ヶ月後にROIを完全に達成し、FCAは計画通りに、新しい車両を組み立てることができました。IC.IDOによって、FCAはバーチャルレビューの段階であらゆる組み立て工程を検証し、実情を把握することで、製品の適合性を保証しています。
現在、FCAでは、Toro、Mobi、Argo、Cronos、Jeep(RenegadeとCompass)などFIATブランドの全シリーズでツールを活用できるよう、ミナスジェライス州のFIAT Betimの自動車産業センターとペルナンブーコ州のJeep自動車工場にIC.IDO室を置いています。IC.IDOは、インダストリ4.0によってニーズが確実に高まっているバーチャルシミュレーションを支えるソリューションとして、FCAで広く活用されています。
Benefits
FCAは、人間工学的なクライテリアをもとに作業時の死角やアクセサビリティを可視化し、また組付け・搬送ラインにおける欠陥を、実際の設備や車両の試作をすることなく、早期段階で予測・改善ができるようになりました。その結果、IC.IDOを活用したプロセス効率化により、FCAがインダストリ4.0プロジェクトにおいて当初想定していた必要期間である18カ月を大幅に短縮し、8ヶ月でROIをすることができたのです。