PAM-COMPOSITESのDistortion解析では、FRPの硬化によるソリ変形をシミュレーションすることができます。
FRPのソリ変形は、
1.加熱・冷却による膨張・収縮
2.硬化反応による収縮
が大きな要因となっていることが知られております。
PAM-COMPOSITESでは、1の熱ひずみと2の反応ひずみの2種類のひずみを合算して製品の膨張・収縮を計算しています。
また、繊維方向は収縮が小さく、板厚方向は収縮が大きいというFRP特有の異方性も加味されております。
航空機胴体パネルのソリ変形解析事例をご紹介します。
下の図は、脱型後の最終ソリ変形量を示したものです。
製品の周長は変化せず、曲率が大きくなるという典型的なスプリングイン変形が発生しております。
下の図は、脱型後の最終応力を示したものです。
ストリンガー部分に高い残留応力が発生しております。
このようなアウトプットを手掛かりに硬化プロセスの成形条件や金型の見込みを検討することが出来ます。
以上、ソリ変形解析のお話しでした。
2008年 日本イーエスアイ株式会社 入社。薄板金属成形解析業務を担当したのち、現在は樹脂複合材成形解析を兼務。製造業各社に向けた技術サポート、コンサルティング業務に従事。