CEM OneのFDTDソルバーであるCEM-TDではデバイス形状や物性値の情報を暗号化した状態で全体モデルに組み込んで解析を行う事が出来ます。この機能によってデバイス情報を開示せずにシミュレーションに必要なデータの受け渡しが可能となります。
本事例ではレーダーデバイスのアンテナ基板部分のみを暗号化し、レドームやハウジング(ケース)は暗号化せずに組み込んでいます。これによって組み込み側では、デバイス周囲近接パーツの干渉有無を確認しながら配置する事が可能となり、ブラケットなどの近接パーツの形状検討が容易になるというメリットがあります。
電界分布解析結果比較
指向性解析結果比較
S11結果比較
赤線:暗号化無し、緑線:暗号化有り
上記のように本暗号化機能では、暗号化した場合でも内部的には計算条件が全く同じ設定のFDTD解析となりますので暗号化適用有無に関わらず結果は完全に一致します。
暗号化エリア内の電磁界分布や電磁界波形、モデル表面電流の結果については暗号化モデルの情報漏洩を避けるため、組み込み側では確認出来ない仕様となっています。
電気機器メーカーにて電磁接触器の設計に従事し、電磁界解析の経験を積む。1999年より現在まで日本イーエスアイ(株)にて電磁波解析を担当し、主に自動車関連メーカーの解析をサポート。