今回は久しぶりにサンプルブラウザ内のモデルをご紹介します。このモデルの中ではそれぞれのエレメント内に定義されるパラメータが他エレメントの入力値を参照するだけでなく、計算中に時々刻々と変化する値を反映させる定義になっています。
上図がモデルの中身です。パドルを持った船が流れのある水の上に浮かんでいるイメージとなります。
トップの画像と比較しながら見ていただきたいのですが、固定された"anchor"からベルトが伸びています。これが船体の"pulley1,2"を介して"drum"に接続されています。この"pulley1.2"は"boat"を含む船体に、"drum"は"padleWheel1,2"及び"mainShaft"に接続されており、間に"revJoint"(回転ジョイント)を挟むことで船体に対して"padleWheel1,2"の回転を動力源として"drum"がベルトを巻き取って行くことが出来る様になっています。
さて、この"padleWheel1,2"が回転するためのトルクは水流("resistance"と"thrustForce"より与えられる)を受けることにより生じさせています。"torqueFromWater"にはT=(thrustForce.Fi-resistance.Fi)*56'mm'と入力されています。56"mm"はパドルの半径で、Fiは"resistance"と"thrustForce"から計算中に出力される荷重値です。即ち船体の挙動に応じて変化する水流に対する抵抗値がパドルを回転させるためのトルク値としてフィードバックされるわけです。
下図が結果となりますが、船は左右に揺れながらアンカーに向かって進んでいくことが確認できます。
2004年、日本イーエスアイ(株)入社。自動車をはじめ各種産業分野のCAE受託解析業務及びVPSの技術サポートに従事。2016年からSimulationX及びVPSとの連成解析関連の受託解析業務、サポート、プリセールスエンジニアとして従事。