CEM OneのPTD(Physical Theory of Diffraction)ソルバーでは、車のミリ波レーダーシステムにおける、ターゲット車両などからの反射波解析を少ない計算資源で行う事が可能です。
下記にCEM One PTDソルバーの特徴を示します。
ガウス求積による計算の高速化(低メッシュサイズ依存)
一般的なFDTDやMoMなどのフルウェーブ解析手法では、モデルのメッシュ分割サイズを解析周波数波長の1/10など、波長より細かく設定する必要がありますが、PTDソルバーでは波長の10倍以上のメッシュ分割サイズでも精度が確保出来ます。
複数材料モデル対応
複数層の積層誘電体及び金属の裏打ち部品のモデル化が可能です。
回折の考慮
対象物のエッジ部分における電波の回折を考慮出来ます。
反射回数設定機能
最大31回まで設定可能です。
自動メッシュ再分割による陰面処理
モデルで電波が照射される部分と影になる部分の境界をレイトレースを使って判別し、境界部分のメッシュを自動再分割します。
SWE(Spherical Wave Expansion)ソースを介したモーメント法との カップリング解析機能
CEM OneのMoMソルバーで解析したアンテナなどの解析結果をPTDソルバーのソースとして設定出来ます。
下記事例は、車両後部モデルの右斜め後方から60GHzの平面波を照射した時の反射波を解析した例です。
平面波の入射方向と偏波
観測面における反射電界分布
計算仕様
CPU Time: 8 Min. (8 proc)
メモリ使用量:26.5 GB
また、車両全方位について、入射方向への反射波を解析するモノスタティックRCSの解析も行えます。(もちろんバイスタティックRCS計算も対応可能です)
77GHzにおける車両のモノスタティックRCS
計算仕様
CPU Time: 11 Min. (8 proc)
メモリ使用量:60.7 GB
電気機器メーカーにて電磁接触器の設計に従事し、電磁界解析の経験を積む。1999年より現在まで日本イーエスアイ(株)にて電磁波解析を担当し、主に自動車関連メーカーの解析をサポート。