今回は 解析のコツ 自動車編 です。
自動車業界では薄板が多く、許容公差が厳しいことがよくあります。開発期間も短いことが多く、それに伴い解析にかけるリードタイムも少ないため、計算時間の短い本ソフトは適しています。
厳しい精度(許容公差±0.3など)を満たすにはどうしたらいいのか。その答えは冶具も全てモデル化すること、がまず挙げられます。
もちろん一般的な節点拘束も使用できますが、冶具をモデル化することによって摩擦を伴うズレや、ピンによる位置決めも考慮することができます。これらの影響は大きく、精度を求める際には必要です。
前半(治具設置、重力落下)後半(クランプによる固定)
※赤い表示は接触していることを示します
位置決めピンの移動を模擬
※赤い表示は接触していることを示します
また、近年では実際のパネル形状を3D測定し、解析に使用する案件が増えています。パネル精度にもよりますが、正寸CAD形状とは確かな違いがあり結果に影響してきます。これはワークだけでなく冶具にも同じことが言え、実際の冶具位置を表現することで実測結果に近づきます。
つまり、現実の条件をより取り入れたほうが精度が上がるという、言ってしまえば当たり前のような話ではあります。しかし実際に解析を始めようとすると、どこにどれだけこだわればいいのか、自社製品の場合は、この工程の場合は・・とどうモデル化や条件設定をするか迷ってしまうと思います。
私たちはこれまでに多くの分野・製品での実績がありますのでぜひご相談いただければと思います。
以上、第11回目は解析のコツ 自動車編についてでした。
エンジニアリングサービス会社で構造・溶接CAEに従事。2018年日本イーエスアイ(株)入社。SYSWELD・Visual-Assemblyといった溶接・組み立てソフトを担当。