ホーンアンテナから放射される77GHzのミリ波が樹脂板へ入射した時、樹脂板形状による反射の違いを解析したサンプル事例を紹介します。
モーメント法(ホーンアンテナ)とFDTD(樹脂板)の3D3Dカップリングシミュレーション。
尚、反射が視認しやすいように波源からの放射は3周期に設定しています。
それぞれの樹脂板形状のシミュレーション結果を比較すると、「空間⇒樹脂板」入射時の反射は同様ですが、「樹脂板⇒空間」の反射(2つめの反射)は形状によって異なる事が視覚的に確認出来ます。
半曲面形状の樹脂板では、「樹脂板⇒空間」の反射波は拡がらずにアンテナ方向へ伝播しており、後方(+x方向)への反射は平面形状の樹脂板より大きい事がイメージ出来ます。
等価波源からの放射周期を限定しない連続波(通常の解析方法)を使って3D放射パターン(Gain)を計算した結果を下記に掲載します。+x方向の放射レベルが右図の半曲面形状の結果の方が大きく、上記の想定が正しい事が確認出来ます。(左:平面形状、右:半曲面形状)
電気機器メーカーにて電磁接触器の設計に従事し、電磁界解析の経験を積む。1999年より現在まで日本イーエスアイ(株)にて電磁波解析を担当し、主に自動車関連メーカーの解析をサポート。