OpenFOAMをはじめとして,放射伝熱計算に使用される手法の一つにvfDOMがあります.
このブログでは,fvDOMでの方位角と極角方向の分割数について,簡単な形状で検証した結果をご紹介します.
方位角と極角は下図のように定義されています.
OpenFOAMでの入力は ../costant/radiationProperties に行います.
nPhi とnThetaの数値を変え,結果への影響を確認します.
検証モデルは,矩形の中心に高温条件の球体を配置して,各壁面への放射強度の分布で検証してみました.
ケース① (nPhi 3,nTheta 3)
上下面の分布がドーナツ状になります.
ケース② (nPhi 5,nTheta 5)
上下面のドーナツ形状の分布は解消されましたが,側面の分布と差異があります.
ケース③ (nPhi 6,nTheta 6)
上下,側面もほぼ同様の分布の結果となりました.
共に6,特に,nTheta は5以上設定が妥当と判断できます.
ケース④ (nPhi 10,nTheta 10)
自然な分布と判断できますが,計算負荷が高くなります.
そこで,nPhi とnThetaに異なる値で検証してみました.
ケース⑤ (nPhi 6,nTheta 3)
予想通り,妥当とは言えない分布となります.
ケース⑥ (nPhi 3,nTheta 6)
放射熱伝達の計算に求める精度によりますが,計算負荷を考えると,まあ,妥当な設定かと判断できます.
モデルの設定条件で計算精度が変わるのが,CAEの常ですが,fvDOMでの計算を行う際の入力値決定の参考になればと思います.
シンクタンクにてリスクマネージメントにCAEを活用,その後,外資系CAEベンダーでサポートエンジニア,技術営業を得て,ESIに入社.OpenFOAMを軸としたCFD関連のエンジニアリングサービスを担当