今回のサンプルモデルでは空気圧に依りピストンが動く挙動なのですが、PID制御を用いたクローズドループにより位置を制御した簡単なモデルです。
私は今まで制御というものに携わったことがなかったので、勉強のために本を読んでいた時にはP?,PI?,PID?,オープン?,クローズ?となっていましたが、この様なモデルや結果を見る事で、たとえ中で行われている演算式がわからなくても直感的にどのような処理が行われているのかがわかります。逆に視覚的に結果が見えることで演算式の理解も容易になります。
下図の3つのグラフは結果の一例です。
上段の赤線がcommandSignalにより指示した動き(入力値)であり、sensorにより計測された実際のpistonMassの位置と入力値がpositionErrorで差として求められます。この差に対して、controllerPIDで演算してバルブ開度の制御値として再びcontrolValveに送られます。これに従ってバルブの開度を変化させることにより青線の様に位置が目標に近づいて行きます。
この時のcylinderの移動/停止方向が中断のグラフ、移動速度が下段のグラフのようになります。
もし、思ったような動きをしていない場合にはcontollerPIDエレメントのパラメータを変化させて感度を調整してあげれば良いわけです。
この様なシステム全体の挙動が見ることで、それぞれの要素が受け持つ働きと他に与える影響が直感的に理解できます。
2004年、日本イーエスアイ(株)入社。自動車をはじめ各種産業分野のCAE受託解析業務及びVPSの技術サポートに従事。2016年からSimulationX及びVPSとの連成解析関連の受託解析業務、サポート、プリセールスエンジニアとして従事。